市長の教育介入を許すな
- 市教組 一宮
- 2020年11月15日
- 読了時間: 2分
制服は本来、各学校で決めるものです。地域で同じ制服を採用する場合でも、学校ごとに連絡を取り合って、校長会などが主導して学校主体で進めていくべきものです。
ところが一宮では、子どもや保護者から制服を変えたいという声が出てきていないにもかかわらず、市長の意を受けた教育委員会がアンケートを複数回実施し、「新制服を求める声」を強引に作り出してしまいました。その総仕上げが昨日の制服シンポジウムだったと言えます。
シンポジウムでの議論そのものは一定の意義がありました。生徒から出された、現状の制服に対する不満はその通りですし、そこは改善していかなければなりません。本来は、各学校や学校の連合体があのような場を設定し、教育委員会がそれをサポートするような形で実施すべきでした。
シンポジウムでは、一宮市議会の経済教育委員会委員長がコメンテーターを務め、議長も発言を求められました。これは考えてみればおかしなことです。市議会として新制服制定の動きに同調・賛同しているような印象が生じるわけですが、制服のことはもともと各校が決めることですし、行政側の進めるシンポジウムで議会人が賛同の意を示すというのもどうなのでしょうか。
シンポジウムの最後には市への「提案文」が採択されましたが、市とは市教委なのか市長なのか不明瞭です。だいたい、制服は学校自身で決めることなのに、市教委であれ市長であれ「提案」するというのはおかしな話です。
新制服を求める声そのものは生徒や保護者の間にたしかに存在します。あとは、市長主導の流れを排し、いかに生徒主体・学校主体で話を進めていくかという部分にかかってきます。今後さらなる教育介入を招かないためにも、ここで学校が頑張らなければなりません。
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